COLUMNコラム

6.軸受のはめあいとすきま – 転がり軸受け解説

4:軸受の主要寸法と呼び番号

機械に必要な転がり疲れ寿命L、またはLhが決まり、次に右式の寿命計算式を使い、Lと動等価荷重Pから、軸受に必要な基本動定格荷重Cを求め、それより軸受の寸法を軸受メーカーカタログを見て決める。この際に、軸受の内径、外径、幅が機械の中で軸受に許される空間の中に納まるような軸受を選んで下さい。

主要寸法について

転がり軸受の大きさを代表するするのが主要寸法です。この主要寸法とは、軸受内径d、軸受外径D、軸受幅B、面取寸法rです。他、軸受の種類で、組立て幅T、組立高さHなどの軸受輪郭を示す寸法です。

Ⅰ図
Ⅱ図
Ⅲ図

※ラジアル軸受(Ⅰ,Ⅱ図) 、スラスト軸受(Ⅲ図)

呼び番号について

転がり軸受の大きさや内容は、呼び番号で表されている。この呼び番号は、軸受の形式、主要寸法、回転精度、すきまその他の仕様を表している。

 

基本番号のうちの軸受系列記号を示す表(一部軸受種類を削除)

5:軸受の寸法精度と回転精度

軸受精度の規定

転がり軸受の主要寸法についての許容差および許容値並びに回転精度は、JIS B 1514(転がり軸受の精度)に規定されている。

6:軸受のはめあいとすきま

はめあいの重要性

軸受は軸とハウジングに適切にはめあわせることで、その機能が十分に発揮される。はめあい面に”しめしろ”が不足していると軌道輪は、軸またはハウジングに対して円周方向に位置ずれを起こす。これを”クリープ”と呼び一度発生すると、はめあい面は著しく摩耗し、軸またはハウジングを損傷させるだけでなく、軌道内部に摩耗粉が侵入して振動や異常な発熱の原因となることもある。

したがって、クリープを防止するために、回転荷重を受ける軌道輪に必要なしめしろを与える。静止荷重を受ける軌道輪は普通しめしろは付けない。但し、振動が大きい用途に使用するときは内輪・外輪の両方をしまりばめにした方が良い。

はめあいの選定

荷重の性質とはめあい
はめあいの選定は、軸受にかかる荷重の方向と内・外輪の回転状態とによって決められ一般には、下図による。

荷重の大きさとしめしろ
軸と内輪の間に”しめしろ”があっても、ラジアル荷重がかかると、この”しめしろ”は減少する。この”しめしろ”の減少量は、次の式で計算可能。

ΔdF=0.08・√(d/B)・Fr×10-3(N)
ΔdF=0.25・√(d/B)・Fr×10-3(Kgf)
ΔdF:内輪のしめしろの減少量(mm)
d:軸受内径(mm)
B:内輪幅(mm)
Fr:軸受にかかるラジアル荷重(N)、(kgf)

軸受すきま

転がり軸受の運転中における内部すきまの大小は、疲れ寿命、振動・騒音、発熱など軸受の性能に大きく影響する。内部すきまが小さいと、たとえば、転動体から軌道面に膨大な荷重を自ら与えることとなり、短寿命・また発熱に至る。逆に、内部すきまが大きいと、振動・騒音の発生、また内部荷重を受ける軌道面が狭くなる事から、長い目で見ると短寿命となる。したがって、軸受内部すきまの選定は、形式・寸法の決まった軸受に取って、重要な検討項目の一つである。

このすきまとは、下記に図示したように、軸受の内輪・外輪と転動体との遊び量の事である。すなわち内輪、外輪のいずれかの一方を固定し、他方の軌道輪を上下又は左右に動かした時の動き量である。転がり軸受は、内部にすきまを持つように作られている。このすきまは設計上は、下記のように与えられているが、すきまを考える方向により、ラジアルすきま、アキシャルすきま、角すきまにわけられる。

軸受形式別の内部すきま

各軸受メーカー”総合カタログ”に掲載の適用表を参照下さい。

7:軸受の配列

軸受の配列は、一般に下記図示のようにする。回転軸の一方の端に取付ける軸受は、ハウジングに対して軸方向に動かないように固定し、他方の端の軸受は軸がハウジングに対して、軸方向に動くことができるような軸受とする。前者を固定側軸受、後者を自由側軸受と呼ぶ。これは、一般に回転している軸の温度がハウジングの温度より高くなるために、軸とハウジングの間に熱膨張の差が生じ、軸が延びるのを逃がすためと、軸受を機械に組込む際の軸受間隔の製作誤差を吸収するという二つの目的のためである。

 

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