COLUMNコラム

4.表面前処理 – ヘンケルジャパン(株)製・各種接着剤の紹介

1.接着剤の前処理は非常に重要な工程である。

基材の表面に油や錆などの異物(Contamination)が存在すると以下の特性に大きく影響する
硬化速度(Cure speed)、接着強度(Bond strength)、耐薬品性(Chemical resistance)、耐熱性(Thermal performance)、接着信頼性(Reliability of joint)

Contaminationが存在すると確実に接合強度が下がります。

Contaminationは様々な場合において付着、発生する。
①機械加工時の油付着
②部品を動かす際の指紋付着
③成形などによる離型剤付着
④原料自身からの異物(金属の場合の錆の付着やFRPなどのファイバーの付着)
⑤環境によるもの(ゴミ、ホコリ、水滴、結露)

 

 

2.表面前処理をした場合としない場合の強度比較

ロックタイト純正クリーナー(LOCTITE SF7063など)を使用すると、テクニカルデータシート(TDS)と比べてTDSの数値の100%に近い強度が得られますが、わずかな油分が付着し、洗浄をしていない場合は30%程度にまで強度が減少する。

 

 

3.特別な表面処理が必要な基材

表面洗浄だけではうまく接着しない基材も存在する。
主にプラスチックとなり、PP、PE、PTFE、POM、シリコーンなどが代表的なものである。
これらの材質の場合にはロックタイト専用プライマー(770)を使用したり、コロナ処理、プラズマ処理によって表面エネルギーを高める必要がある。
もしくはプライマーが必要なく接着することが出来るLOCTITE AA 3035の使用を推奨する。
表面エネルギーが30dynes/cmを下回るような材質の場合には基本的には接着が非常に難しいと考えるべきである。

 

 

以上、専用クリーナー(SF7063)、プライマー(770)、プライマーレス接着剤(AA 3035)については別途お問い合わせください。

 

 

ヘンケルジャパン(株)製・各種接着剤の紹介 – まえがき に戻る

Share

CATEGORY

ARCHIVE